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富貴蘭図鑑 日本富貴蘭会登録品・夢の芽変わり・期待の逸品・花物

盆栽世界9月号増刊 新企画出版局 発行 2011年 146ページ 約25.5ｘ18.5ｘ0.6cm
※絶版
富貴蘭の伝統品種から新品種、珍しい品種までを網羅し、約220種を収載したフルカラー図鑑。 平成23年度の富貴蘭銘鑑番付表とその詳しい読み取り方、当年の柱および別格稀貴品を格付け順に紹介。 柱は入門者に推奨できる品種、別格稀貴品は玄人向けの高額品が並ぶ。 富貴蘭鉢、富貴蘭の植え込みテクニックも掲載。 写真満載の、大変貴重な資料本。

【序文より】 フウランは日本・中国・韓国に自生する着生ランです。日本では本州から四国・九州・中縄まで。北限は茨城県や福島県と言われていますが、まとまった数となると千葉県南部です。南下するにしたがい自生量は増え、もっとも多いのは四国と九州でしょう。変異個体が多く、昔から葉変わりや斑入り個体が栽培されてきました。明確にいつの時代からとは言い切れませんが、文献上では少なくとも江戸時代中期には珍重されていたことが分かります。それ以降、長い年月を経て今日まで続いており、これらすべての園芸品種が富貴蘭です。 富貴蘭は我が国の「伝統園芸植物」としても有名です。「伝統園芸植物」とは、奈良時代から江戸時代に流行した植物一群のことで、遣唐使や遣隋使によって導入された中国の園芸文化を起源とします（牡丹や芍薬など）。ただし、当初は一部の貴族階級や高級武士、僧侶の趣味にとどまり、一般庶民にはまったく関係がありませんでした。その後、乱世の時代が続き、すべての文化が盛衰の道を辿ったわけです。園芸植物も例にもれず、ごく一部が寺院などの片隅で栽培されていたに過ぎませんでした。 現代のように「伝統園芸」と呼ばれる世界が確立したのは、乱世が終わった江戸時代。大陸産の種類とは別に、国内の変異個体に目が向けられ、蒐集が始まります。 この時代、二代将軍の秀忠や三代将軍の家光が花好きだった影響もあり、参勤交代制度で江戸に集参した各藩の大名が、江戸城において自国の珍品植物を自慢しあいました。城中においての話は人から人へ伝わり、遊楽の気運が高揚した平和な世相もあって、武士や豪商、一般庶民へと蒐集が広まったのです。当時の書物を見ると、その過剰なまでの熱狂ぶりが伺えます。 富貴蘭熱の最盛期は文化・文政の頃。歴代の将軍のなかでは十一代将軍家斉がとくに有名です。当時は政治的にも安定しており、こうした園芸植物がブームとなる条件がそろっていたのでした。蒐集した個体を江戸城内で栽培し、拝見する際には金銀の網を被せ、武士の魂である刀の鑑賞時と同様の作法で、息がかからないよう懐紙を口にしたと言われています。諸大名も自藩内で変異個体を探しては将軍に献上し、また自ら栽培する大名もいました。 本来、このような自慢品は門外不出を常としますが、入手困難なものにはいつの時代でも高価な値がつくものです。実際のところは利殖目的の栽培者もいました。その流行が頂点に達したのは天保時代。ついに、栽培禁止令が老中水野忠邦により発令され、過熱状態は一度終止符が打たれたのでした。 いずれにせよ、富貴蘭の世界が確立したのはこの江戸時代。「青海」「玉金剛」などは当時から伝わる品種ですから、かれこれ200年以上経ちます。富貴蘭はこんな背景を持ち、また将軍が愛でたという歴史的背景もある、我が国を代表する伝統園芸植物なのです。 したがって、一般的な花卉園芸植物と比べると高価ですし、しきたり的なことや、専門用語も多いものです。しかし、この背景を知った上で富貴蘭を手に取ると、そのひと鉢に不思議な存在感を覚えることでしょう。それこそお金で買えない価値なのです。本書では今日流通する富貴蘭の中から、代表的かつ次代を牽引するであろう品種を紹介します。伝統園芸でもさらに特殊な世界、いわば“特殊伝統園芸植物”を身近に感じるために、役立つはずです。

【目次】 ●カラー写真図版解説 近年の登録品種 近年の日本富貴蘭会で登録された品種を見ると、人気の傾向が読み取れる。 伝承品種の芽変わり 伝統園芸の真骨頂。今まさに変化した瞬間を捉えた品種。 再出現品種 絶種してしまった品種が再出現したもの。 複芸 古から伝わる品種に芸を重ねたもの、実生由来の派生品種を含めて紹介。 新しいタイプの品種 新発見の品種 矮性品種 伝統園芸の世界は矮性品種を珍重、小さいほど良しとする。 豆葉 愛くるしい容姿が魅力の豆葉品種 変態品種 まさに玄人好みの珍奇植物。変態的容姿の品種。 超巨大品種 奄美フウランの規格外的超巨大品種。 牡丹芸品種 富貴蘭の世界では牡丹芸を筆頭に、境界線が曖昧な芸も好まれる。 繊細な木姿の品種 伝統園芸品種の最たる木姿といえば、神気宿る繊細な木姿。 紺縞品種 隠れファンの多い、数の極めてすくない紺覆輪、紺縞、萌黄覆輪。 墨+α 墨芸の品種 縞 縞は細いほど評価が上がり、斎場は「櫛目縞」と表現する繊細な縞。 覆輪 中透け 品種間交雑種 吟風 芽状変異の多さで軍を抜くグループ 瑞晶 登録銘品 神がかり的な容姿を持つ、日本富貴蘭会登録の銘品 富貴蘭銘鑑 紺縞品種 玉金剛 金牡丹ファミリー 高千穂の縞 風蘭花物 富貴蘭鉢 千野之雅 佐伯天山 三橋俊治 布施覚 富貴蘭の植え込み（モノクロ写真解説） ミズゴケの乾かす時間を短縮させる裏技、袈裟懸けの要領 ほか
●写真・撮影・解説協力(50音順) 赤堀雅士（日本富貴蘭会） 有沢暢晃 石川享（日本富貴蘭会） 井内勇（四国山草園） 伊藤守（丸道園芸） 稲田誠（京都蘭センター） 井上慶八（日本富貴蘭会） 井出晴久（井出藺草園） 今井和男（富貴蘭今井） 謫川雅一（三香園） 梅原秀史（東海園） 遠藤忠汪（日本富貴蘭会） 岡部信寛（岡部園芸） 奥直人（花彩） 奥幸雄（みのうらん園） 笠原茂（シード園芸） 楠本誠一郎（誠香園） 工藤哲生（日本富貴蘭会） 久納一夫（春秋園） 後藤保（日本富貴蘭会） 佐伯知彦（天山工房） 桜井将人（桜井園芸） 櫻澤克己（東京富友会） 佐宗孝義（日本富貴蘭会） 清水秀樹（日本富貴蘭会） 住田幸弘（華幸園） 多賀正征（万仙園） 千野之雅 鶴谷若雄（花園園芸） 西口郁夫（日本富貴蘭会） 野町敦志（日本富貴蘭会） 野村佳令（土佐風蘭保存会） 畑美樹男（夢らん舎） 原田充（蘭遊園） 広崎晴重（日本富貴蘭会） 布施覚 洞口勝（蘭のみその） 堀尾吉晴（美咲園） 堀内一博（静蘭舎） 松浦和美（静蘭舎島田店） 水迫義行（実幸園） 三橋俊治（欅窯） 宮崎晃（緑草園） 森岡武史（花ごよみ）
高知県立牧野植物園 静岡富貴蘭会 千葉県富貴蘭会 東京富友会 日本伝統園芸協会 日本富貴蘭会 Special thanks 野町敦志 堀尾吉晴

【索引より】 「青軸蟷螂」（あおじくかまきり）   「青軸羆」（あおじくひぐま）   「青星」（あおばし）   「天照」（あまてらす）   「天の満月」（あまのみつつき）   「阿波雪牡丹」（あわゆきぼたん）    「十六夜」（いざよい）   「伊勢矮鶏縞」（いせちゃぼのしま）   「一寸法師」（いっすんぽうし）   「裏甲龍」（うらこうりゅう）   「雲龍滝」（うんりゅうのたき）   「円窓」（えんそう）   「花魁」（おいらん）   「黄玉殿」（おうぎょくでん）   「皇座の舞」（おうざのまい）   「王妃」（おうひ）   「大江丸縞」（おおえまるのしま）   「大度丸縞」（おおたかまるのしま）   「おてもやん」（おてもやん）   「小野小町」（おののこまち）   「御神渡」（おみわたり）   「海星丸」（かいせいまる）   「加賀童」（かがわらべ）   「かぐや姫」（かぐやひめ）   「影虎」（かげとら）   「崋山」（かざん）   「神戚」（かむい）   「黄金剛」（きこんごう）   「紀州白王」くきしゅうはくおう）   「旭昇」（きょくしょう）    「輝羅々」（きらら）   「魁龍」（きりゅう）   「麒麟樹」（きりんじゅ）   「金閣」（きんかく）   「銀閣」（ぎんかく）   「錦麒麟」（きんきりん）   「吟月」（ぎんげつ）   「金広錦」（きんこうにしき）   「鷂紺冠」（きんこんかん）   「金紗昌」（きんしゃばく）   「金司龍」（きんしりゅう）   「鷂水」（きんすい）   「銀世界」（ぎんせかい）   「金淀玉葉」（きんでんぎょくよう）   「吟風」黄絹（ぎんぷうきじま）   「吟風」白黄紬（ぎんぷうしろきじま）   「吟風」白紬（ぎんぷうしろしま）   「吟風」住み流し（ぎんぷうすみながし）   「吟風」萌黄縞（ぎんぷうもえぎじま）   「金牡丹」（きんぼたん）   r金牡丹」（きんぼたん）   「全牡丹」黄縞（きんぼたんきじま）   「金牡丹」黄縞（きんぼたんきじま）   「銀龍冠」（ぎんりゅうかん）   「九龍」（くーろん）   「孔雀丸縞」（くじゃくまるしま）   「薬王の剣」（くすおうのつるぎ）   「くま鷹」（くまたか）   「黒崎紅赫殿」（くろさきこうかくでん）   「黒潮」（くろしお）   「黒真珠縞」（くろしんじゅのしま）   「黒豹」（くろひょう）   「慶賀」（けいが）   「月琴」（げっきん）   「月紅」（げっこう）   「月笙」（げっしょう）   「月破」（げっぼ）   「月輪」（げつりん）   「幻日」（げんじつ）   「虹雪」（こうせつ）   「光琳」（こうりん）   「五右衡門」（ごえもん）   「黄金虫」（こがねむし）   「黒牡丹」（こくぼたん）   「諞牡丹縞」（こくぽたんのしま）   「黒牡丹縞」（こくぽたんのしま）   「黒龍」（こくりゅう）   「九重山」（ここのえやま）   「古朝鮮」（こちょうせん）   「湖東錦」（ことうにしき）   「琥珀殿」（こはくでん）   「小判宝」（こぼんだから）   「金用冠」（こんごうかん）   「金剛宝」（こんごうほう）   「金剛宝」（こんごうほう）   「紺波浪」（こんぱる）   「西鶫」（さいかく）   「薩摩三彩」（さつまさんさい）   「五月雨」（さみだれ）   「簪蝶」（さんちょう）   「紫霊閣」（しうんかく）   「紫玉」（しぎょく）   「日月光白縞」（じつげつこうしろしま）   「写楽」（しゃらく）   「朱天王覆輪」（しゅてんのうふくりん）   「春及殿」（しゅんきゅうでん）   「春宝」（しゅんぽう）   「春蕾」（しゅんらい）   「昇炎」（しょうえん）   「児雷也」（じらいや）   「新羅」（しらぎ）   「至楽」（しらく）   「白珊瑚」（しろさんご）   「真月」（しんげつ）   「信玄」（しんげん）   「新南海」（しんなんかい）   「真白」（しんぱく）   「瑞山」（ずいざん）   「瑞晶」（ずいしょう）   「翠宝」（すいほう）   「鈴虫縞」（すずむしのしま）   「墨炎」（すみほむら）   「壅冠」（すめらぎのかんむり）   「青海」（せいかい）   「星宿淘」（せいしゅくかい）   「雲仙」（せつりゅう）   「千載縞」（せんざいのしま）   「蒼龍殿」（そうりゅうでん）   「曽根緑」（そねみどり）   「大観」（たいかん）   「大勲」（たいくん）   「大正ルビー根」（たいしょうるびーね）   「宝覆輪」（たからふくりん）   「玉鏡」（たまかがみ）   「玉金剛縞」（たまこんごうのしま）   「玉錦」（たまにしき）   「玉虫」（たまむし）   「玉響」（たまゆら）   「竹葉」（ちくよう）   「竹林」（ちくりん）   「鎮守冠」（ちんじゅかん）   「月影」（つきかげ）   「泣波」（つなみ）   「照國」（てるくに）   「天宮取」（てんきゅうでん）   「天玄」（てんげん）   「天山」（てんざん）   「天晴」（てんせい）   「天晴」（てんせい）   「天仙」（てんせん）   「天朝殿」（てんちょうでん）   「天侵」（てんゆう）   「天領」（てんりょう）   「天領覆輪」（てんりょうふくりん）   「桃酔」（とうすい）   「道伴」（どうぼん）   「匂威」（においおどし）   「錦織」（にしきおり）   「日輪富貴」（にちりんふうき）   「萩宝扇」（はぎほうせん）   「白隠」（はくいん）   「白翁」（はくおう）   「白鷹」（はくたか）   「白鳥」（はくちょう）   「白天晃」（はくてんこう）   「白桃冠」（はくとうかん）   「白牡丹」（はくばたん）   「白露」（はくろ）   「白狼」（はくろう）   「白虹錦」（はっこうにしき）   「破天荒」（はてんこう）   「花纒」（はなまとい）   「花観月」（はなみづき）   「羆」（ひぐま）   「羆錦」（ひぐまにしき）   「羆の光」（ひぐまのひかり）   「羆覆輪」（ひぐまふくりん）   「毘沙門天」（びしゃもんてん）   「聖」（ひじり）   「翡翠覆輪」（ひすいふくりん）   「姫青海縞」（ひめせいかいのしま）   「日向猛虎」（ひゅうがもうこ）   「富貴殿」（ふうきでん）   「富貴の光」（ふうきのひかり）   「富士錦」（ふじにしき）   「不動丸」（ふどうまる）   「不動丸」（ふどうまる）   「紅扇」（べにおうぎ）   「紅かんざし」（べにかんざし）   「紅雀」（べにすずめ）   「紅簾」（べにすだれ）   「紅無双」（べにむそう）   「辨慶丸」（べんけいまる）   「鳳玉縞」（ほうぎょくのしま）   「豊明殿」（ほうめいでん）   「豊明殿縞」（ほうめいでんのしま）   「火影」（ほかげ）   「北斗星」（ほくとせい）   「牡丹錦」（ぼたんにしき）   「牡丹錦」（ぼたんにしき）   「豆葉緑花」（まめばりょつか）   「満月」（まんげつ）   「岬の蝶」（みさきのちょう）   「御旗」（みはた）   「夢幻白絹」（むげんしろしま）   「武蔵」（むさし）   「無双達磨」（むそうだるま）   「紫水晶」（むらさきすいしょう）   「室戸錦」（むろとにしき）   「米良彗星」（めらすいせい）   「桃山錦」（ももやまにしき）   「靖国」（やすくに）   「山吹雪」（やまふぶき）   「幽谷錦」（ゆうこくにしき）   「友禅錦」（ゆうぜんにしき）   「弓張月」（ゆみはりづき）   「淀の松白縞」（よどのまつのしろしま）   「鎧通し縞」（よろいどおしのしま）   「雷電」（らいでん）   「楽山」（らくざん）   「羅紗紅竜」（らしゃこうりゅう）   「龍水山」（りゅうすいざん）   「龍泉錦」（りゅうぜんにしき）   「龍泉錦覆輪」（りゅうぜんにしきふくりん）   「凌雲」（りょううん）   「緑彩宝」（りょくさいほう）   「鈴匠」（れいしょう）   「黎明」（れいめい）   「連城丸」（れんじょうまる）   

★状態★
外観は通常保管によるスレ程度、目立った書込み・線引無し、 問題なくお読みいただけると思います。（見落としはご容赦ください）

＜絶版・入手困難本＞オークションにも滅多に出ない、貴重な一冊です。 古本・品にご理解のある方、この機会にぜひ宜しくお願いいたします。

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